「行きと帰りで運賃が違う!」鉄道会社のシステム開発者が夢にも思わなかった解決策ーー「伝統主義」の恐ろしさの実例
当たり前に受け入れていた長年の慣習や仕組みに不備が生じたとき、それにすぐ気づくことができるだろうか? 日常生活から学問、ビジネスの現場まで、論理的な思考を支える「モデル分析」。文系・理系の境界を超えた方法論を、慶應義塾大学で教鞭をとる栗田治氏が史上最高にわかりやすく解説したのが、9月刊の講談社現代新書『思考の方法学』だ。ここでは同書から、モデル思考をする上で決して忘れてはいけない重要な概念を記した章「モデル分析を支えるキー概念」から、「伝統主義」に関する解説を一部公開する。