迫害もされた!? 中国の恐竜研究のパイオニア
日本の一介の恐竜ファンが、中国の恐竜事情に踏み入るとき、中国国内の研究がまだまだ低調期だった1980年代ごろまでの、黎明時代の恐竜研究史や発見史をあえて掘り下げるという切り口から入ることもできます。西側先進国と比べて経済的にも科学研究の水準でも立ち遅れを余儀なくされていた往年の中国で、社会主義革命や文化大革命をはじめとした政治の荒波に揉まれつつ、必ずしもすぐに「役に立つ」とは限らない恐竜研究に邁進した人たちの姿を追いかけていくと、その姿勢に感動すら覚えることがあるというのです。今回は、マメンチサウルスやチンタオサウルスをはじめとした数多くの中国恐竜たちの名付け親である楊鐘健(C.C.Young)を取り上げます。